大風呂敷を広げてはじめたものの、その風呂敷を回収できるか怪しくなってきた、連載企画の第8回目です。
前回は、寄り道編としまして、twitterの話を書いてみました。
今日も”続”寄り道編ということで、ここまでで書ききれなかったことを書いてみようかと思います。
やりたくないことを、つきつめてみる。
PROFILEを作ってみよう編で「一番やりたいこと を考えてみよう!!」的な話を書きましたが、それとは真逆の話。一番、やりたくないことを考えてみよう
というお話です。生きてりゃ、やりたくない事だらけっすよね。
働きたくねぇ。
努力したくねぇ。
人の顔色うかがいたくねぇ。
などなど。
バンドやってる人もしかり。
「やりたくない事がある」というのは、よく言えば「こだわりがある」ということなので、なるべく尊重してあげたい僕もいます。
わたくし、気づきました。
やりたくない事の話を若いバンドの子と話してて、わたくし、あるポイントに気づきました。え?やりたくないって言ってるけど、それ、別に全部がやりたくないわけじゃないよね?
と。わかりにくいかと思うので、具体例を書いて説明しますね。
例えば「お客さんに媚を売るようなことは絶対にしたくない!」と力強く言っていたバンドがいました。
そういうバンドさんは、いわゆる外向きの営業活動に関して、不器用なバンドさんが多いんですね(当社調べ)
僕目線だと、そういう不器用なバンドさんは、外に向けての活動を特に何もやっていないバンドさんが多いです(こちらも当社調べ)
だから僕は「このバンドは何もやらないなぁ…、せっかく良いバンドなのに…簡単な宣伝活動ぐらいしたらいいのになぁ…などと思ってました。
【そんなバンドと僕との会話】
倉坂 「じゃ、終演後にお客さんにフライヤーを撒いたり、無料CDを撒いてみたり…ってのも嫌?」
バンド 「いや、そういうのはがんばれますよ!」
倉坂 「あれ?お客さんに媚を売りたくないんじゃないの?」
バンド 「いや、たくさんの人にやっぱり聴いてほしいので!」
倉坂 「それはOKなんだ…、じゃ、例えばライブ中の時に、あの曲で簡単にお客さんにコール&レスポンスとかやってみる…とかは、やっぱり嫌?」
バンド 「ああ、その方がわかりやすく曲、伝わりますかね?それなら一回やってみてもいいかもですね!」
倉坂 「あ、それもOK!?媚売ってるとは違うの?」
バンド 「違いますね!」
倉坂 「じゃ、何が君たち的に”媚を売ってる”になるの?」
バンド 「ツイッターとかですかね…」
倉坂 「あ、ツイッターの話だったんだ!まぁ、たしかにお客さんにまめにリプ送ったりするの、しんどい時あるよね…」
バンド 「いや、別に僕たちのファンの人に、リプ送るのは大丈夫ですよ!うれしいですし!!」
倉坂 「え?そうなの?じゃ、何が嫌なの?」
これ本当にあった話です。
よくよく聞いてみると、
彼らがやりたくない事というのは、
- twitterでの、かっこいい自分語り
- twitterでの、自撮りのアップ
だったみたいです。
この2点を指して「最近のバンドは客に媚を売っている、俺たちは絶対にやらない!」と考えていたみたいです。
「お客さんに媚を売りたくない」の一言では、残念ながら僕には伝わらなかったぞ(笑)。
外にむけて何もやっていなかったのは、本当に何をしたら良いのかわからなかっただけだったようです(笑)
で、もちろん、そんな二点ならば、やりたくなければ全然やらなくても大丈夫だと思います。
まだ、この話は本人達が「やりたくないこと」を明確にわかってたので良かったケースですが。
やりたくないことも、つきつめる。
そんなわけで、大雑把に大きく「これは、やりたくない!」ではなくて、そのなかのうちの「本当にやりたくないこと」を自分で探してみると、意外に自分でも気づいてなかった事に気づけるかもです。また別のケースで
「流行のアレンジとか、絶対にやりたくないんですよ!!」
と言ってるバンドの話をよくよく聴いてみると、彼らは「ただ、4つ打ちのリズムをやりたくなかっただけ」だった…とか。
じゃ、4つ打ちのリズム以外で流行を取り入れるのはアリ?と聞いて見ると、アリと答えたり(笑)。
でも、僕がそう質問するまで、この事実に本人達も気づいてなかったんです。
流行してるアレンジは全部いやだ!と、自分で思い込んでたんですね。
そんな風に自分で自分の可能性を「おおざっぱなやりたくない事」で狭めてしまってる人が意外に多い。
やりたくない事は(少なくても今は)やらなくても良いと思います。
ただ、「本当にやりたくないこと」をあやふやにではなく、自分でしっかり確認してみるのも良いかもしれませんよ?
というお話でした。
では、次回から、そろそろ本編にかえろうかと思います。
つづく