正しい”呪い”入門

突然ですが、呪い というものは存在すると思う。

人を 呪い で病気にすることぐらいなら、案外、簡単にできると僕は思っている。

例えば、呪いの藁人形。



想像してみてほしい。

例えば、何十年も前。

街灯なんて、道にはなくて夜は夜らしく

ただ暗闇をたたえていたような頃。

戦前の田舎の村みたいなイメージ。

そんな村での夜のこと。



その頃って、きっと夜になれば外に人気はなかっただろうし、

夜というのは人気もなくて、暗闇と静けさが広がっていただけだと思うんです。



そんな夜の話。

時間にすれば、深夜2時。

いわゆる丑三つ時。

神社の方から

カーン、カーン と毎晩、音が聞こえてくる。

眠りについた頃に、毎晩、その音で深夜、目を覚ましてしまう。



気になって、ある日、その音がしていた神社にいってみる。

そこで、はたとする。

神社にある大木。

その大木に、五寸釘で打ちつけられた

自分の名前が書かれた、何体もの放置された藁人形。



深夜、自分が聞いていた、あの音は

この藁人形に釘を打ち付ける音だったのか。

寒気がして、血の気がひく。



そんなものを見ても、まったく気にしない人もいるかもしれない。



ただ、普通の神経をしている人間なら気になってしまうと思う。

仮に僕がそんなことをされてしまったら、気になって仕方がない。



毎晩、わざわざ深夜に

これだけの手間をかけて、自分を呪い殺そうとしている人間がいるという事実。

これだけの手間を惜しまないほど、自分は誰かに恨まれているという事実。

その誰かは、この町で昼間は普通に自分と接してる人間だという事実。

そのすべてが、気持ち悪くて仕方がない。



次の夜も、その次の夜も、その五寸釘を打ち付けるカーン、カーンという音は鳴りやまない。

誰かが今日も、自分を呪い殺そうとしている。

自分に覚えはないのに、圧倒的に誰かに恨まれている。



普通の人間なら、こんなことが続けば、ノイローゼになると思う。

ノイローゼで体調だっておかしくなる。

気が弱い人なら、もしかしたら夜、眠れなくなってしまうかもしれない。

きっと病気にだってなってしまう。



つまり、呪い ってこういう事だと思うんです。



逆説的な言い回しになりますけど

呪い というものがそもそもあって、それを人間が行っているんじゃなくて

人間が行ったことが、のちのち 呪い と呼ばれただけなような気がします。

ただこれ、昔の話じゃなくて今でも似たようなことってたくさんありますよね。



インターネットでの匿名の悪口

SNSでの過剰な叩き

ネットに限らず、職場や学校での陰口

顔を合わしている人間のモラハラ、セクハラ

などなど

自分もきっと気づかずにやちゃってるだろうし、気をつけたいです。

なんて、深夜のたわごと。

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