久しぶりに演奏系の記事です。
歌に関して若いバンドのボーカルにアドバイスをしてて、それなりに成果があったと思われるトピックをいくつか書いてみます。
曲は良いから、あとは歌が上手くなったら完璧だね!
…とかライブハウスの人や友達に言われて、耳にタコが出来そうな、ロックバンドのボーカルさん。そんな人の何かの参考になればうれしいです。
前提として
むけのアドバイスです。
- ポップな日本語の歌詞の歌もののロックバンド
- 自作自演でやっているバンド
- 8ビート系のりのバンド
題して”ロックバンドのボーカルさん向けのちょっとタメになるかもしれない話”
ポイント3つ
3つにわけてポイントを書いてみます。まず、ピッチが悪い(音程が少しずれる)タイプのボーカルさんで、自分で曲を作って歌ってる人に意外に多いのがこのタイプ
自分で作った曲のメロディを、実は自分できちんと理解してない
そんなわけないだろう!?と、読んでる人からツッコミが入りそうですが、意外にこのタイプ多いです。どういう事かと言うと、ロックバンドで曲を作ってる子は、だいたい楽譜が読めない子が多い。(当社調べ)
ギターでコードを弾いて鼻歌を歌いながら、感覚で曲を作るような人も多いかと思います。
感覚だけで作って、なんとなく出来上がったメロディを、そのままなんとなくライブでも歌ってる子が意外に多い。
実は自分で作ったメロディなのに、
最初の音はこの音から入って、ここまで音程が上がって、次は半音下がって、この音に着地して終わる
…みたいなメロディの基本を、理解せずにアヤフヤに歌ってる子がすごく多い。
こういうタイプの人は、まずは歌うべきメロディを何か楽器を使って、しっかり確認してみてください。
ギターの弦を一本ずつ弾くでも、指一本でピアノの鍵盤を弾くでも、なんでも良いです。
ゆっくりしたスピードで、一度、自分の作ったメロディを確認して自分の体に入れ込むだけで、一気にピッチがよくなる子も多いです。
心当たりのある人はお試しあれ。
コードともっとハモる
上に書いたこともできて、もし余裕があれば、ギターのコードと歌でもっとハモってる意識
で歌ってみてください。歌は歌、コードはコード と一緒に鳴るはずなのに、歌とコードがそれぞれ分裂してる人がけっこう多いです。
歌だけが演奏に対して、浮いてしまってる人。
鳴ってるコードに対して、自分の歌うメロディの音の度数が何か?みたいな事まで把握して、それを響きとして体で覚えちゃうと一気に歌いやすくなります。
難しい書き方をしましたが、例えば
Cのコード(ド・ミ・ソ)を弾いた時に、メロディで ミ の音を歌ってる時は、”ギターと歌の響きはこんな感じ”
みたいなのを覚えれたら…っていう話です。
ポップスでよくあるパターン…、 例えば、ド・ミ・ソ というコードの構成音にない音をメロディで歌う…というケースもよくあるので、
”ド・ミ・ソ とバックで鳴ってる時に、歌のメロディで、ファ の音を歌えば、こんな響き”
みたいなことも、ひとつずつ覚えていけたら、後々の約に立つかも。
この感覚を体で覚えてしまえば、鳴ってるコードが変わっても響きの感覚としては一緒。
相対的なものなので、けっこう応用がききます。
ようは、演奏で鳴ってるコードと歌でどんな感じにハモってるかを体で覚えてしまえ!という感じです。
ギターボーカルさんには、
“ギターと歌でもっとハモってる感覚で歌ってみて”
みたいな言い方もします。
歌の下手な人の真似をして歌わない
カラオケに行くとけっこう歌が上手いのに、バンドで自分の曲を歌うとなんだか下手…みたいなボーカルさん、けっこういますよね?カラオケの場合は、オリジナルのお手本があるので、歌いまわしや音程のとり方の真似をして歌うと、それっぽくなりやすいんだと思います。
それっぽくなる=上手い
ってことかと。
ただ自分の曲になると、お手本がないので歌いにくい。
そういう時は、例えば誰かの物まねをしてるつもりで、歌ってみたら?みたいなアドバイスもたまにします。
この曲を、○○というバンドのVoが歌ったら、こんな感じかな?と、言葉やメロディに対するニュアンスのつけ方の物まねをしてみてください。
ただ、ここで一つ注意点。
歌のあまり上手くないバンドのボーカルの真似をしないでください。
砕けて書くと
下手な歌の真似すんな。おまえも下手になるから。
歌が下手でもかっこいい人というのは山のようにいてます。でも、そういう人のかっこよさっていうのは、実は色々な要素が絡み合って、奇跡的に成立してる場合が多いです。
その人の作るメロディだったり、歌詞だったり、アレンジだったり…何より一番大きい要素は
声質
その人の声が、その人の歌い方にはまってるから、多少、音程が悪くてもそれが個性になってて、かっこいいケースが多い気がします。なので、特にはじめたてのバンドに多いパターンが、
自分の声質とあってない、(技術的に)歌の下手な人の物まねを無意識にして歌っているせいで下手に聞こえてる
人が意外に多い。その最初に憧れた人へのソウルは胸のうちに秘めて、ほかの別の人の歌い方を真似して歌ってみましょう。
音程が悪い人の歌い方を真似して、歌ってたら、そりゃ音程も悪くなります。
自分の声質にあった、今まで真似したことのなかった人の歌い方を、騙されたと思って真似して歌ってみてください。
ようは、歌のコピーもたくさんやってみましょう!って感じでしょうか。
歌い方もたくさんコピーしていくと、それらが合わさってきて、オリジナリティが生まれてくるはずなので!
番外編
ちょっと反則技になりますが、日本語のメッセージ性の強い歌詞の場合は、あえてメロディを歌わない
という技もあります。
歌を、メロディとして発しないで、割り切ってメロディを捨てて、言葉として発してしまう方法。
日本語の歌詞の曲の場合、メロディの要素より言葉の要素のほうが印象としてどうしても強くなるので、メロディを気にせずに、聴いてる人に向けて強く話しかけるみたいに言葉を曲のなかに置いてしまう…なんてのがかっこよく聞こえる場合もあります。
ラップやポエトリーリーディング…みたいなやり方に近い感じでしょうかね。
この辺りは、曲調によって、合う、合わない はあるかと思いますが。
以上、番外編を含めて4点
何かの参考になりましたら!!
昔に書いた歌とリズムの話のエントリーはこちら