歌であなたのバンドをグルーヴさせる方法。

新コーナー”倉坂さんのそこそこために(なるかもしれない)バンド講座”

昨日の深夜に何気に思いついてボーカルのリズムの話をtwitterに書いたのですが、その辺りの話を詳しく書いてみようかと思います。

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リズムに気をつけて歌を歌うだけで、劇的にバンド全体のリズム感/グルーヴ感が良くなる。

gvo

“ボーカル”さんというより、”ギター&ボーカル”さん向けの持論なのですが、しばしお付き合いください。

そもそもバンドで、ギターを弾いてボーカルまでやってるヤツなんて、90%ぐらいの高確率で自己中心的なやつです。(あげく、曲と歌詞まで作ってるヤツなら95%まで確立は上がります 当社比)

バンドをやるうえで、目立ちたいヤツがやるパートの1位と2位を、まとめて1人でやってるんですよ?これはすごい事です。

アマチュアバンドのギター&ボーカルの問題点

特にはじめたてのロックバンドに限定して書くのですが、問題点はシンプル。

あんまり練習しない

この一言につきると思います(笑)。言い方を変えると

何を練習していいのかよくわかってない

というのが問題点だと思います。

特に曲まで作ってるギターボーカルの場合、練習しない理由というか、言い訳できる要素がてんこ盛りなんですよね。

よく出そうな言い訳の種類を三つあげてみます。

  1. 本職のギタリストほど、ギターが上手くないといけない理由はない
    → 「俺、ギタリストじゃないから」
  2. ハンドマイクで歌ってるボーカルほど「歌だけ!」って感じでもないし
    → 「ギターを弾きながら歌うと歌だけに集中できない。色々と忙しいから」
  3. さらに作曲までやってるタイプだと駄目押しです
    → 「良い曲を作るのが俺の仕事だから!」

※ちなみに僕があんまり練習しないメインの言い訳は 3 です

学生時代からの友達で結成したバンドの場合を例に考えてみると

最初からカラオケなんかでそこそこ歌える、歌の上手いやつを「あいつ、歌が上手いからボーカルに誘ってみよう」とボーカルに選んだり

逆パターンでは、そこそこカラオケで歌える元から歌の上手いヤツが、他のパートのメンバーを集めてバンドを結成したり…というパターンが多いかと思います。

練習しない一番の原因は何か?というと、ギターやベース、ドラムと違って、ボーカルの場合は

はじめから、そこそこ歌が上手いヤツがやるパート

って、とこ。

はじめてやる楽器というのは、とにかく練習しないと曲になりません。

でも、ボーカルは練習しない状態でも、それっぽく、なんとなく出来てしまうんです。

あげく、初ライブなんかで「○○くん、歌、上手いよねー!良い声!」とか誉められる事も多いパート(一番、目立つから)

僕らは甘やかされて育ってるんです。

そりゃ、練習しないよな。

練習する理由がない。

 “歌が上手い”の基準が変わってくる

karaoke

カラオケなんかで”歌が上手い”と言われる人ってどんな人でしょうか?
  • 音程を上手くとれる人(ピッチが良い人)
  • その原曲を歌ってる人に似た歌い方が出来る人
  • ビブラート、シャクッて歌ったりテクニック系を上手くつかえる人
みたいな感じでしょうか?

これがバンドのボーカリストになってくるとちょっと変わってきます。
  • 音程を上手くとれる人(ピッチが良い人)←ここは一緒
  • しっかりと声がよく出る人
  • 歌のリズムが良い人
  • 曲をしっかり表現できる、歌で感情表現ができる人
みたいな感じでしょうか。

当たり前なんですが、要はカラオケの歌と、バンドなどで歌う歌 は別物です。

そういったバンドを続けてる人にとっては、当たり前の事に気づけるか気づけないかが、特にバンドはじめたての初期の頃は、大事な気がします。

ギターの音作りの話の時にも書きましたが、”イメージを持つ”事が大切。

どんな風に歌いたいか?上手くなるってどういう事か?というイメージを持って歌えたら、一気にレベルアップするんじゃないでしょうか。

で、リズムの話

音程はみんな気にしてるので良くなっていく。

大音量のバンドの中でずっと歌ってるから声量はついていく。

特に歌詞を自分で書いてる人なら、この歌詞をどう歌おうか?というとこで感情表現の仕方も覚えていく。

でも、歌のリズムに関しては、何かきっかけがないと意識できない気がするんです。

そもそも

“歌=リズム” みたいな意識で歌ってなかったから気づきようがないんですよね。

特にギターボーカルの場合は、ギターのリズムには気が回るんですが、歌に関してはリズムを意識した事なんてなかった!…みたいな若い子とは、ライブハウスの公演終了後の精算の時に話してても、よく会います。

意識した事のないものは、よくなるはずがない。

って事で、もしこれを読んで「へぇー」と思ったボーカリストさんは、歌を歌う時にリズムの事も意識して歌ってみてください。けっこう変わると思いますよ。

リズムの話

じゃ、具体的に何を気にしたらいいのか?って話なんですが。

裏拍が、跳ね方が、ジャストじゃなくて、すこし後ノリで…とか、色々と言われるかとは思うのですが、とりあえずそういうのは置いておいてですね

一拍目を死ぬ気であわせる

これだけでまず変わると思います。(もちろん他の楽器も同じですが)

ファンクの帝王、グルーヴマスター ジェイムス・ブラウンの名言

where is one ?

ワン (一拍目) は、どこにあるんだ?

これは、16ビートのテクニカルセッションで、盛り上がってしまい収集がつかなくなってしまったバックバンドのメンバーに対して、彼が放った言葉だとか。

8ビートの曲でもこれはマスト。

まずは一拍目が大事。



こちらは1970年代初期のジェイムス・ブラウンさん。

上手いベーシストさん

bass

唐突ですが上手いベーシストさんって、音の切り方がすごく上手いですよね。

音の伸ばし方、切り方でリズムを表現する。

僕はベースは専門外なとこがあるので、詳しくはわかりませんが、この感じを歌でも出せたら良いですよね。

具体的には

  • 適当にニュアンスだけで声を伸ばすのではなくて、どこまで声を伸ばすかをきちんと考えて歌う
  • なんとなく歌ってる場合と、言葉を切りながら歌ってるニュアンスの違いを感じながら歌ってみる
  • 声を出して切った後に、ドラムのパーツが鳴る音を意識してみる(つまりリズムに歌がはまるように意識してみる)

つまり1ランク上にいくためには、

声の切り際のタイミングを意識してみることが大事じゃないかな?と。

これ、きちんとできなくても、意識するだけで別物になっていくと思います。

バンドのリズムアンサンブルに、歌もきちんと参加する!」イメージ。

 なんならこのバンドは、俺の歌とドラムでリズム隊だぜ?

ぐらいまで、いけたら素晴らしい。

これは、某若いバンドさんを見てて、ちょっと思った事なんですが。

最近の若い子は本当にセンスが良いので、複雑なアレンジや面白い仕掛け…というのは思いつてるバンドさんは多いのですが、そのアレンジの美味しいところを自分達では意外にわからないまんま、なんとなく演奏しちゃってるケースも多いんだな…と。

その某バンドさんの曲の場合は、たぶん…ではありますが

ドラムと歌がリズム隊

そのリズムを後ろからサポートして支えるのがベース

ドラムと歌で作ったグルーヴに、全体としてのダイナミクスをつけるのが前2本のギター

みたいなイメージで演奏したら格段に良くなりそうなのにな…とか思いました。

まぁ、それを本人に直接は言ってないし、実際に正しいかどうかはわかりませんがね。

そのバンドさんの曲/アレンジの構造的に、その意識を持って演奏するだけでバチっとはまる気がしました。

これに気づかないまんま、例えば、ボーカルがドラムに対して「もっとタイトに!」みたいな駄目だしを続けても、たぶん問題は改善しないよな…と。

ドラムのタイトさはゆくゆくは必要だけど、まずはドラムと歌のリズムをどうあわせるか?ボーカルがドラムに歩み寄るのか?逆にドラムがもっと歌にあわせていくのか?の方が大事に思いました。

意外にギターボーカルってやる事がいっぱい過ぎて、周りに的確な事を言えてないケースも多いです。

さらに曲も作ってる人ならプロデューサー的な役割になる事も多いかとは思うのですが、問題点を冷静に見れてないケースもあります。

ギター弾いて、歌って、盛り上げて、泣かして、MCして、終演後には物販もして…けっこう大変なんですよ。

なので他のパートのみなさん、煮詰まってるギターボーカルがメンバーにいるんなら助けてあげてください。

そして、ギターボーカルさんも「俺様、俺様」に、なりがちかとは思うんですが、他のメンバーの意見もしっかり聞こうぜ。

…と、最後はコミニケーションが一番大事という、身も蓋もないお話 (笑)

バンドなんて、ちょっとした人合わせるコツなんでね。

音も気持ちも気持ちよく合わせて、楽しくやりましょう。

良い歌、歌おうぜ。

vocal

おしまい




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