前回までに何回かに分けて、ギターの音作りに関して好き勝手にあれこれと書かせていただきました。
前回の記事の最後に「ギターの音作りの参考になりそうな おすすめのCD」を紹介します…と偉そうに書いたので、どんなのが参考になるかな?と色々考えてみたのですが
何のアルバムを紹介したら良いかわかんねーよ
という結論に達しました(笑)。色々と考えながら、そもそも僕は”ギターの音”に焦点を絞って聴くタイプでもなかった…という事を思い出してしまいました(笑)。
なので、かなり私的偏見に満ちたセレクトにはなってしまうのですが、”歪んでるロックギター”というテーマで選んでみました。
参考になるかは謎なセレクトですが、以下を読んでみて興味が出たら良ければ聴いてみてください(YouTubeだけじゃなくて、出来たらスピーカーを鳴らしながらCDでね)
John Mayer Trio / TRY! (2005年)
「昔のロックを聴け!」と前回書いておいて、いきなり反則のJohn Mayer (笑)。
現代3大ギタリストにも数えられてる、ジョンメイヤーさんのトリオ編成バンドでの2005年のライブ作品。
よく考えてみたら、今の音楽でも”ライブ盤”って、参考になりやすいんじゃないかな?と思いまして。ピッキングのタッチなんかも含めて聴きやすいかっこいい音を出してるので、ストラトキャスターの歪んだ良い音のお手本にはちょうど良いアルバムかな?と思います。
ストラトといえばジミヘンドリックスという偉大なストラトゴッドがいるのですが、ジミヘンの場合は素直なギターの音ってよりも、エフェクターや当時のエレクトロニクスの最先端を使って加工した音って感じなので、今回のお題ならジョンメイヤーの方があってるかな?と思いまして。
ちなみにこのバンドで叩いてるドラムのスティーブ・ジョーダンが僕は大好きです。
僕はまったくドラムは叩けませんがスティーブ・ジョーダンのドラムの教則ビデオを見るのが大好き…という変な趣味があります(笑)。John Mayerのことも実はあんまり詳しくないんですよね。Ain Figreminというバンドのミイ君に聴かせてもらって「お!このアルバムかっこいいやん!」となって買ったライブアルバムです。
THE BEATLES / PLEASE PLEASE ME (1963)
基本でしょう!って事でビートルズ。
ビートルズは中期以降は、レコーディング時にかなりギターの音もいじってたりして、「誰も聴いた事のない音を作ろう!」みたいな方向に(特にジョンレノンは)いきだすので、”ギターの素直な音”という意味では、わかりやすく参考になるかが不明(ギター音作りの参考に…から趣旨ぶれぶれですんません)
なので、レコーディング/スタジオ技術で「音を加工すること」に凝りだす前のデビュー作である1枚目を紹介してみます。
ダビングもほぼなしで「せぇーの!」で録音したアルバムなので、よくよく聴いてみたら、スタジオがこんな感じの広さで、こことここにアンプを置いて、ドラムを置いて、録音したのかな?なんて想像できるぐらい空気感のある生生しい音像です。
ステレオの左のチャンネルがバンドの演奏の音、右が歌 みたいなスピーカーの割り振りだったと思うので、左のスピーカーだけで聴いてみても色々な発見があるかも。
リッケンバッカーやグレッチのギターをVOXのアンプにつっこんだ生生しい音が楽しめます。
今のロックで使われるようなエレキギターの音の種類のなかではイレギュラーかもしれませんが、それでもやっぱりスタンダードな音色という不思議な立ち位置の音かもしれません。
ビートルズ話は書き出したら止まらないのでまたの機会に。
Led Zeppelin / Led ZeppelinⅠ (1969)
最近、僕がテレキャスターを買ったので、この辺りのアルバムをよく聴いて参考にしております。こちらのギタリストは元祖3大ギタリストの1人である、ジミーペイジさん。
ジミーペイジといえば、レスポールとマーシャルアンプ!…というイメージなのですが、このアルバムのレコーディングでは実はテレキャスターを使っていた…というのはけっこう有名な話。
余談ですが4枚目に収録されてる天国の階段のギターソロも実はテレキャスだった…って何かの記事で読んだことあるような、ないような…。
なので、テレキャスを使ったかっこいい歪みギターのある種、お手本にもなるアルバムだと思います。アンプはSuproというメーカーのアンプ。
僕、10年以上前にSuproのアンプはちょっと弾いただけなので、音に関してはどんなアンプだったのかほぼ記憶にない(笑)。
ちょっと興味深いのは
「レスポール+マーシャルアンプ」の組み合わせと、「テレキャスター+スプロアンプ」の組み合わせが「似た音」になる…という事実。
一発録りの空気感も含めて、ロックの教科書に載るかっこいいアルバム。
AC/DC / Highway to Hell (1979年)
オーストラリアのバンドAC/DC。BACK IN BLACKではなくて、あえてのHighway to Hell。アンガス・ヤングがトレードマークのギブソンSGをマーシャルにつっこんでかっこいい歪みギターを聴かせてくれます。
ギブソン/ハムバッキング系のギターでラウドな歪み…という意味ですごく参考になるかな?と。
“ラウドな歪み”と書きましたけど、実はイメージほどラウドじゃない音色も含めて研究の価値ありな1枚かと。リズム隊も良い仕事してます。
アンガスのインタビュー記事を訳したページを見つけたので、なんとなくリンクを貼っておきます。
まぁ、こういうインタビューって海外のアーティストはけっこう適当に答えてることも多いのであんまり参考にはならないかもですが…(笑)
この曲が一番有名でしょうか。紹介したアルバムには収録されてはいませんが。
…と、なんとなくではありますが、セレクトしてみました。
なんでこのアルバムを選んだの?と聞かれたら、完全に今日の気分です(笑)。
いわゆる「ロックの名盤」と呼ばれてるものは、一度ぐらい聴いておいても良いと思いますよ。
最後にさらに趣味に走った個人的なセレクトを2枚
Keith Richards – Main Offender (1992年)
ローリングストーンズのギタリスト”キースリチャーズ”のソロアルバム。「古いロックを聴け!」と言っておいて、また90年代のアルバムでごめんなさい。
高校生ぐらいの頃、ギターの音作りに悩んでいた頃に出会って「おお!自分もこんなギターの音を出したい!」と10代の頃の自分の音作りのひとつの指針になったアルバムがこれ。ちなみにThe denkibranの結成のキッカケになったアルバムでもあります(その話はまたの機会に)
「歪んでるだけど、コードを弾いた時にきちんと音の分離が良くて6本の弦の音が全部聞き取れるようなギターの音」を目指していたのですが、お手本になるような音になかなかめぐり合えなくて、このアルバムの1曲目を聴いた時に「これだ!」となりました。
曲自体はワンコードものというか、今の日本のロックしか聴かない若い人が聴いたら単調に聴こえるかもですが、こういう曲はメロディを楽しむ…というより、ノリだとかリズムを楽しんで聴くと気持ち良いです。
あとあんまり関係ないんだけど、けっこう前にtwitterでフォロワーさんと斉藤和義さんの話をしていて、斉藤さんはストーンズが好き…という話になり、そのまんまキースリチャーズの話になったんです。
そしたらね、知らない方が唐突にその会話に絡んできましてね。
誰だろう?と思いながら、色々とやり取りをしていたら、なんとその方が、このアルバムでもライナーノーツ(解説文)を書いてらっしゃるレコードコレクターズ誌の編集長を昔されていた寺田正典さんだった…という。
そんなひょんなご縁で、日本で一番、ローリングストーンズに詳しい方とSNS上だけではありますが、お近づきになれた…というエピソードもオマケについている思い出深いアルバムです。
ちなみにこのバンドでもスティーブ・ジョーダンがドラムを叩いています。
このアルバムを聴いて、一緒に”不良なギター”を弾こうぜ!!
The JAM – In The City (1977年)
ソロでも活躍中、いまだ現役。ポールウェラーのデビュー作です。The JAMの1stアルバム。
パンクに分類して良いのか、ネオモッズ系…みたいな分類にしていいのかよくわかりませんが、どっちにしろ大好きなアルバム。
よくギターの音を擬音で表現する時に「ジャキーン!!」という言葉を使うのですが、僕の言う「ジャキーン!!」な音はこのギターの音のイメージです。
これがジャキーンです。
演奏面を言えば、正直下手くそ。勢いオンリーのまさに気合一発なアルバム。
“右手のタッチで音色をコントロール”だとか、散々blogで書いてきた事とは、ある種、別次元のとこにいる…というか(笑)。右手もフルスイング(笑)。
でも、この勢いはやっぱりかっこいいと思うし、僕は大好きなんですよね。
ロックバンドの場合、”技術”と”かっこ良さ”っていうのは比例しない場合もある。
リッケンバッカーをVOXのアンプにぶち込んで、コードをフルスイングでかき鳴らせ。
僕はいつだって、このジャキーンを求めてます。大好きです。
…と、好き勝手にアルバムを何枚か上げてみました。
全体的に泥臭い感じになっちゃいましたね。
比較的、有名なものしか上げてないので、たぶん近所のTUTAYAなんかでもレンタルできると思います。
あんまり参考にはならないかもしれませんが、気になるCDがありましたらぜひ聴いてみてください。で、こんな感じのギターの音を作ってみよう!とスタジオで遊んでみください。
ちょっと偏ったセレクトすぎたので、次回に機会があったらもう少し幅広いジャンルで紹介できたらと思います。
アンプの具体的なメモリの設定の話もまた次の機会に。
読みにくい駄文に、長々のおつきあい感謝。
ありがとうございました。
おしまい
ちなみに僕が趣味で見ている…と書いたスティーブ・ジョーダンの教則DVDはこちら。ドラムの技術的な話じゃなくて「グルーヴとは?」みたいな半分精神論みたいな内容ですがすごく面白い。デモ演奏もかっこいいし、ギタリストが見てもそれなりに勉強にはなると思います。
ギターの音作りの記事のはずだったのに、最後はなぜかドラムの教則DVDを紹介して終わる支離滅裂さ(笑)。
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