散々言われつくしてる話ですが、三三七拍子って、ただの四拍子じゃねーかって話
日本人のリズム感覚
海外のロック系のリズム感覚と、日本人のリズム感覚の違い…みたいな話題が出た時によく出る話。日本人は農耕民族だから田植えの感覚で「ぉいっち・にー・さん・しー」的な四拍子だとか、西洋は騎馬民族だから馬にのった時の感覚で「ぱっかぱっか…」と三拍子だとか
色々な話があります。
その辺りの真偽の程はわかりません。
僕、田植えした事ないし、馬にも子供の頃に”ふれあい牧場”みたいなとこで2~3回乗ったぐらいだし。
こういう古くから俗説的に言われてる感覚が、特に今の若い子にどれぐらい根付いているのかは正直わかりません。
ただ、もうひとつよく言われる話なですが、”言語の違いによるリズムを捕らえる感覚”という部分ではあきらに差はあるのかな?とは思ってます。
英語と日本語の違い。
パルスで刻まれ続ける西洋のリズムと、間でとる日本のリズム
これも西洋と日本のリズムの違いでよく言われる話パルス~でわかりくに方は
聞こえないメトロノームみたいなものが曲の間中、常に鳴っている感覚でリズムが流れていく
みたいな感じで思ってみてください。聞こえないメトロノームの音がパルスです。
要は、常に一定のリズムが流れていて、そこに乗っかるイメージでリズムを刻む感じ。
なので、音が出ていない部分も、リズム常に同じ感覚で進んでいくイメージ。
これがいわゆる普通のロックバンドでは正解の西洋的なリズムの取りかただと思います。
これに対して、間でとる日本的なリズムというのは、一定ではなかったりするみたいです。
間なので、休符の音が出ていない部分で、文字通り”間”があきます。
音楽が一度 休符(間)で止まるんです。
どっちのリズムの感じ方が良いのか?悪いのか?という話ではないのですが、ただロックバンドをダンスミュージックと考えたら、リズムがそこで一度止まってしまうのは致命的かもしれません。で、この話題の時によく引き合いに出されるのが、日本でも応援団?さんなんかがよくやる三三七拍子というやつです。
チャ・チャ・チャ・(うん)チャ・チャ・チャ・(うん)チャ・チャ・チャ・チャ・チャ・チャ・チャ(うん)
みたいなやつ(文字でわかりますかね?…わ、わ、わかるよね!汗)
三回打って、三回打って、最後に七回打つ から、三三七拍子。
でも、これを西洋音楽の考え方で捕らえると、ただの四拍子だったりします。
具体的に楽譜にするとこんな感じ
休符の(うん)の部分も、リズムのパルスは流れてるわけです。
若い子だと「音の出ていない部分も演奏する気持ちで!」とか「休符もしっかり演奏して!」みたいなアドバイスを受ける事も多いかとは思うのですが、その
休符を演奏する
っていう感覚って、口だけで言われてもよくわからないと思うのでね。三三七拍子でいう(うん)の部分を、実際は手拍子はしないけど、しっかりテンポ感もふくめて意識する…みたいな、とこからはじめてみたら多少はつかみやすいのでしょうか?
何かの参考になりましたら。
歌心で覚えるリズム
例えば、ドラマーさんからしたら「何を当たり前な事を書いてるんだ!?」とか思うかもなのですが、意外にリード楽器の人間って、この辺りの感覚をよくわからずにやってる人も多いんですよね。特に歌心がある人に多い傾向。
そういう人は、一定感覚で刻まれるパルスに乗って奏でるみたいなイメージがないまんま、メロディとしてリズムの譜割りをなんとなく覚えちゃってるんです。(僕は確実にこのタイプでした 笑)
これもよく言われる事ですが、歌もギターもリズムがあって、特に人と一緒に演奏する時は、「僕も打楽器/リズム楽器だ!」ぐらい極端な気持ちで演奏してみても良いかもしれません。
これまた何かの参考になりましたら。
ここからただの持論なんですが。
“リズムを歌として認識する感覚”って駄目な事ばかりではなくて、この感覚があるからこそ、最近の邦ロックにある変拍子的な感覚って成り立ってるのかな?とも思います。
歌やフレーズ的な感覚でリズムの構成を考えてるからこそ、急な変拍子をアレンジの中にいれたりできるのかな?とも思ってます。
古いところではジョンレノンなんかの曲にあるパターンって、いきなり洋楽の例えでごめん(笑)
ぱっと思いつくとこで、9mm Parabellum Bulletとか、 凛として時雨とか。チャットモンチーなんかも急に気持ち悪い拍子(けなしてません、超ほめてます)入ってきたりしますよね。ああいうセンスってやっぱり日本のロックの強みなんじゃないかな…とも思う。
いわゆるロックのタイトなリズム感と、歌心もある面白いリズムセンスを持っててすごいなぁ…と、その手のアレンジはあまり思いつかないので、僕なんかはよく思います。