続・アナタのギターを良い音で鳴らすためのイカしたやり方(精神論と心得偏)2

能書きが長くなっちゃたので今回で終わらせちゃいましょう。

続・アナタのギターを良い音で鳴らすためのイカしたやり方(精神論と心得偏)
好き勝手にギターの音の事を書いたら意外と評判が良かったので調子に乗っての第二弾。  そもそも何を持って良い音とするのか? "良い...

スポンサーリンク

何をもって良い音とするのか?

amp2

前回のblogで書いたような”チープだけどかっこいい音”というのは、飛び道具だと思うので、いわゆる一般的に”良い音”と言われている音を、初心者さんの場合はまず”知る”事が大事だと思います。

一般的にロックギター/エレキギターで”良い音”されている条件というのは

  • 低音から高音まですべての帯域が過不足なくしっかり出ている音
  • 倍音が多く含まれている音

かな…と、思います。

弾き手のタッチやつけたいニュアンスがしっかり出ている音(倍音をコントロールしやすい音)…とも書こうかと思ったのですが、それは”良い音”じゃなくて”良い楽器”の条件になるので、その話はまた別の機会に。

いや、そんな書き方されても、よく わかんないよ。

ごもっとも。

じゃ、何をお手本にしましょうか?という話を書いていきます。

…と、その前にもうちょっと準備。

良い音のイメージを持ちましょう。

guitar
若いバンドさんと音作りの話になった時に「どんな感じの音を出したいの?」と質問してから、ツマミをいじったりするのですが、その時に意外に答えにつまる人が多い。

要は「出したい音のイメージ」がない人が多いんですね。

”有りものの機材を使って、それを活かした一番良い音を作る”という考え方もあるかとは思うのですが、それって実は上級者向けの考え方です。機材の事を知っている人のやり方。

この機材ならこんな音が出るから、こっちの方向でまとめよう、なおかつ、この機材なのでこういう弾き方をしよう…までコントロールできる人のやり方だと思います。

要は、どんな機材を使っても自分のイメージしている音に近づけれる人。

つまり、音作りに関しては上級者さん。

よく、エリッククラプトンはどんなギターを使っても、ミニアンプにつないでもクラプトンの音がしてた…みたいな例え話も出ますが、それはやっぱり”クラプトンさんなりの良い音のイメージ”がしっかりあるからだと思うのです。

なおかつ、その音にどうやったら近づけられるかの方法論の貯金もあるわけで。

1万円ぐらいで買える、この5wのギターアンプ”ピグノーズ”を使って「461 Ocean Boulevard」というアルバムのうちの何曲かのフレーズを録音した…というエピソードは、あまりにも有名。

ちなみに僕の持っていたピグノーズは誰かに貸したまま行方不明です(笑)

なので、まず最初は”こんな音を出したい”というイメージをもって、その音に向かって、ツマミをああでもない、こうでもない…と回しながら試行錯誤するところからはじめるのが、初心者さんは正しいやり方かな?と思います。

余談ですが、僕が仲良くさせてもらってるバンドさんはジャンル的に最近で言うところの歌ものの”ギターロック系”が多いので「どんな音を出したいの?」という質問に対して、つまってしまった子には

「じゃ、アジカンか、バンプかで言ったら、バンプみたいな音??」

という質問からはじめて、勝手に「アジカンタイプ」と「バンプタイプ」に大雑把に分類して話を進める事が多いです。

ミュートしてズクズク刻めそうな多少ラウンドよりな歪みがアジカン、コードストロークで6弦の分離が良い感じの歪みをバンプ…と勝手にイメージして進めてます。(昔なら、アメリカ?イギリス?って質問の仕方でも通じたのですが、最近の子にはこう聞いてもピンとこないようなので…)

まぁ、これは僕の勝手なイメージだけの分類ですが(笑)

アジカンさんもバンプさんも、ズクズク弾いてもコード弾いても分離の良い音で、実際は演ってるかとは思いますが。

とりあえずイメージを持って音作りを進めてみましょう。

ちょっと古い年代のレコード(CD)をスピーカーから鳴らして聴いてみよう

record
で、ギターの良い音のイメージを作るために個人的におすすめなのが、60年代や70年代のロックのアルバムをスピーカーから鳴らして聴いてみる…というやり方。

なぜ古いバンドなの?最近のバンドじゃ駄目なの?

スピーカーじゃないと駄目なの?ヘッドフォンじゃ駄目なの?

一応、僕なりの理由があるので書いていきます。

理由1・古いバンドの音はレコーディングでの音の加工が少ない

最近のバンドの音をお手本にしてももちろん良いんです。

でも、最近のバンドの場合だとレコーディング後のミックスダウンの時点で過剰に音を、加工している可能性があります。

ライン録りでアンプシュミレーターを使って録音している可能性もあります。

コンプでバキバキに音圧を上げて、スピーカーにずっと張り付いているような音でずっとギターが鳴っているものもあります。

それはレコーディング作品として、「良い音/かっこいい音」にするために加工している音。

初心者さんの場合、この音がギターとアンプだけで出せる音なのか?はたまたレコーディングの時に作った音なのか?という判断が経験上つきにくいと思うのです。

なので、演奏をシンプルに一発録りしたような、昔のロックバンドの音の方が、素直にギターの音が鳴っているケースが多い。

では、このCDで聴こえるこのギターの音でアンプで鳴らすためにはどうしたら良いのかな?と考えると回り道せずにすむかな?と思います。

(もちろん昔のロックバンドもコンプで音圧を上げたり、音を加工したりはしてますが今ほどではないので)

これを料理に例えるなら、まずは調味料で味つけしたおいしい料理を食べる前に、魚、肉、野菜 など、シンプルに素材の味自体を活かした料理をたくさん食べましょう。

そして、素材の味自体を先に覚えてしまいましょう。的な感じ。

理由2・そもそも、今流通している良い楽器が古い50年代や60年代のコピーモデル

もちろん今風のモデルもありますが、語弊を恐れずに言えば80年代あたりでエレキギターの進化は一回止まって、また90年代以降は”良かった、あの頃のギターをきちんと作ろう”という方向に向いている気がします。

Fenderの現行品のカタログなんかを見ていても、これ下の方にいけばモデル名の前に、1952 とか、1963とか書いてたりするじゃないですか?


これって、けっきょく1952年製のモデルを、今もう一度作ろう!って事ですよね。

60年代の頃に鳴っていた良い音を、良い楽器をもう一度作ろう!っていう事だと思うのです。

なので、Fenderさんに限らずですが、”楽器自体の一番良い音”のイメージが、古いロックのレコードで鳴っている”あの音”なんです。

楽器メーカーが”一番、良い音”の基準を50~60年代の音においてるのなら、その60年代のレコードやCDから聴こえる音をいっぱい体にしみ込ませて、音のイメージを作っていくのが近道なんじゃないでしょうか?とか、僕は考えます。

これが理由その2

これまた無理やり料理に例えるなら、包丁やまな板を作ってるメーカーがそういう方向性なんだから、一度は基本として、そういう料理の味も覚えておこうよ!的な。

…んんん。この例え方は無理やりか(笑)

スピーカーで音を鳴らして音楽を聴こうぜ。

spiker
個人的にイヤフォンやヘッドフォンが苦手っていうのもあるのですが(笑)。

まずは基本的な話なのですが、音ってそもそも何でしょうか?

空気を振動させて、その振動が耳に伝わるのが音の正体


↑こういう事ですね

イヤフォンなんかで直接、耳に近い位置で鳴らしちゃうと、空気が振動している~鳴っている感覚をつかみにくい気がするんです。

ずっとイヤフォンで音楽を聴いていると、いざ自分が演奏する立場になった時に、ギターアンプから出た音が空気を振動させて、聴いてる人の耳に届く…っていう過程をイメージしにくい気がするのです。

エレキギターの仕組み自体が

右手でピッキングして弦を振動させて

それがボディに響いて

ピックアップに拾われて電気信号になって

ケーブルを伝わって

エフェクターを通って

ギターアンプに届いて

ギターアンプの回路で増幅されて

スピーカーから音が出る

…という仕組みの最後の部分。

スピーカーから音が出て空気を震わせる

ここのイメージをつかむために、普段からスピーカーで音楽を聴くというのはけっこう重要じゃないかな?と思うわけです。

例えば「低音ってスピーカーから出たらこんなに振動があるんだ!」とかは、実際に体験しないとわからない気がするので。

で、スピーカーと書きましたが、iPhoneとかPCのスピーカーだと低音が聞こえなかったりするので、ああいうのはNGで。

出来たらイコライザーで低音を大きくしたり、高音を上げたりしないで、なるべくフラットな音の環境で普段から音楽を楽しめたら、ギターの音以外でも何かと発見があるような気がします。

ちなみに mp3 みたいな圧縮音源だと音が悪いから…という、よく言われてるような”mp3問題”は、時代の流れ的に、もうとやかく言うのもナンセンスだとも思うので、とりあえず初心者さんは mp3でも良いから、スピーカーから音を流して聴いてみよう!ってのが入口になるかと。あくまで入口ですが。

CDやレコードを聴くよりも、一番、手っ取り早い方法

実はあるんです。もったいぶらずに最初から、それを書けよ!って話ですが(笑)。

もう答えはシンプル。

上手い人の演奏を200人キャパぐらいのライブハウスに生で聴き行く。

light

実際に体験しましょう。という普通の話です。

ここでポイントなのは”上手い人”ってところ。

アマチュア、インディーズのバンドではなくて、きちんとしたプロの演奏(出来たらキャリアのある人)を生で体験しましょう。

身近で見て学べるものって絶対に大きいので。

YouTubeの動画でもギターの運指は見れるかもしれませんが、本物のプロがどうアンプで空気を振動させているのか?っていうのは、やっぱり体験しないとわからないもんです。

生で体験したら、例えば「思ったより低音が出てるんだなぁ…でもBASSの邪魔はしてないなぁ」とか色々と発見もあると思います。

さらに「この音がCDになってるんだなぁ…」と考えながら聴けたら120点。

その音がどういう風な変化をして録音物になっているのか…まで考えれたら、さらに色々と身につく事も多いと思います。(ライブとCDをあえて、まったく違う音色にしているギタリストさんももちろんいますが)

そして、200人キャパぐらいの普段、自分達がよく出演しているライブハウスで体験する…というのも大事。

ドラムの音量に対して、これぐらいの音量でギターを弾いているんだ!と、生音の雰囲気も体験できたら、さらに自分の演奏に活かすことが出来ると思うんです。

「うわ!俺と同じアンプ使ってるのに、音が全然違う!」とかね。

百聞は一見にしかず。

普段、自分が出演しているライブハウスでも意外に、ベテランの実力派ミュージシャンさんが来ている…というケースもよくあるので、スケジュールをチェックしてみて興味のありそうな日に遊びに行ってみるのが近道。

意外に身近にすごい人は来てるもんだぜ。

mixer

個人的に近い場所で見て「うおーー!!」って特に思って、勉強になった方々

鈴木茂さん

言わずも知れた元はっぴいえんどのギタリスト。ソロ作の名盤「バンドワゴン」も有名です。

生で見た時に本当にバンドワゴンで聴ける音と同じ音がしててあれは感動した。動画探してて、この映像を見つけたんですが何これ!?こんなのあるの!?このDVD欲しい…となりました(笑)。

あと佐久間正英さんも感動した。

BOOWY、JUDY AND MARY、GLAYなんかのプロデューサーとしてだったり、さらに過去には四人囃子、プラスチックスというバンドに在籍されていた佐久間さん。

世間的にはベーシストのイメージかもですが、幸運にも二回ほど共演させていただいた時はギタリストとしてでした。噂どおりというか、ピッキングがめちゃくちゃ綺麗で感動しました。

佐久間さんの、逆アングルピッキング論は有名だったりします。




お二方ともコンボタイプのわりかし出力の小さめなアンプを持ち込んで使われていたのも印象的でした。

さらに番外編ですが、元BOOWYのドラマー高橋まことさんと共演させていただいた時も感動しました。

同じドラムセット使っててもこれだけ鳴らし方で音が変わるんだなぁ…と。

特筆すべきは8ビートの疾走感。本当にあれはすごかった。

その時の会場は中百舌鳥のクラブマッシブというライブハウスだったんですが、マッシブのステージが一瞬、東京ドームに見えたもんな(笑)。これは大げさではなくマジで。

当時のThe denkibranのドラマー小松兄は高橋さんと共演してから、「なるほどな、8ビートのコツがわかった」と言って、あきらかにリズムのノリが変わったんでね。

近い場所で上手い人のプレイを見れるのは、どの楽器プレイヤーでもやっぱり勉強になるんだなぁ…と実感したしだいであります。

とんでもなく長くなってしまった。

まとめますと

楽器の練習って最初はコピーからはじめますよね?

音作りだってコピーからはじめてオリジナリティを後々つけていくのが正解じゃないかな?

というお話しでした。

書いてるうちに、どんどん面白い話を思い出してきて、まとまらなくなってきたので、この辺りで。思い出したけど書けなかった話はまた次回以降に書いてみようかと思います。

長々と読んでくれた方、本当にありがとうございました。

一応、うんちく編は終わりです。

初心者さんの何かの手助けになりましたら。

次回は、音の基準を作るために、この辺りのCDを聴いてみたら?という倉坂的おすすめ音源を紹介してみようかと思います。

おしまい

何気に今回のblogで紹介したのはこの辺りですね…って一応まとめときます。

佐久間正英さんの「実力派プレイヤーへの道」という本は全バンドに一冊!ぐらいの勉強になる本でした。こちらも機会があればぜひ。今回、新たに見つけた鈴木茂さんのDVDは来年のお年玉が出たら買おうかと思います(笑)。

スポンサーリンク