「Kidori Kidori」というバンドの「!」というCDの話

バンド紹介記事、番外編その2です。

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2015年度 倉坂的ベストCD

Kidori Kidoriの「」(雨だれと読む)というアルバム。

このCDが本当に良かった。


これ、身内びいきで良いアルバム…とかじゃなくて、2015年にリリースされたCDの中で純粋に一番好きなアルバムでした。

僕的には

現代のシーンの状況や、若い子の感覚での はっぴいえんど の再構築

みたいに聴こえた内容でした。

ただ、はっぴいえんど の真似をしてるわけでもなく、本人達もたぶんそこを意識してるわけでもないのに、その肌触りが出ちゃった…みたいな印象。

そういうわけで、はっぴいえんど の物まねバンドとは次元が違う良アルバムに仕上がっております。

何が衝撃的だったかというと、そもそもKidori Kidoriは、英詞でどちらかというとパンキッシュな曲調…というの一般の印象のバンドだったと思うんです。

こんな感じ

これがなんと今回はアルバムは日本詞のみ

前にミニアルバムに収録されてた テキーラと熱帯夜 。

もっと言えば、会場販売だったシングルのカップリング曲から、そんなふうになっていきそうな匂いもしてたんですが、それでも今回は思い切ったなぁ…!と。

音楽的にも元から彼らが持っていた雑食性も良い感じに出ていて、すごく内容も広がってますし、何より歌詞がすごく考えられててすごい。

「今回全部、日本詞なんですよー。本当に良いのが出来たので聴いてください!」

と、ご本人みずからサンプル盤を持ってきてくれました。


これ、5~6年前に僕が「kidori は英詞の曲は良いけど、日本詞はあんまりやなぁ~」みたいな事を偉そうに言った事をけっこう根に持っていたらしく(笑)要は「日本詞でかっこいいの作ったよ?」と復讐しにきたわけですね(笑)。



で、歌詞に関してですが

まいりました。

作詞の技術的なとこでいうと、冒頭の歌い出しから、もうバンバン韻を踏んでるし。

韻の感じは、自称”言語フェチ”な彼らしく、聴いた感じかなりこだわってるような気がする。

で、さらにストーリー作りがうまい。

曲の並びが、歌詞の内容をふまえて聴くと、すごくストーリーがあって、一本の短編映画みたいになってるんですね。

(1曲めでホームパーティをしたら、2曲目は二日酔いではじまる…みたいな)

雨がふりだして、色々な葛藤があって、最後は傘をたたむんですね。

全篇とおしてそんな”つながっていく仕掛け”がてんこ盛りな感じなんで

もう、コンセプトアルバムみたい。

東京の街の事を歌ってたり、時折、郷愁 的な感情も言葉からのぞかせたり、

僕らこんな感じで東京で過ごしてます。それなりに元気で切なくやってます

みたいな、僕的には「上京してからのKidori Kidoriからのお手紙」みたいなアルバムでした。

何より日本語になったおかげで素直にマッシュの人間性というか、ひねくれてるけど憎めないあの感じが、歌から僕でも感じれられるようになったり。

歌詞的には本当に作りこまれてはいるんだけど、きちんと人間臭さもしっかりある…っていう、このバランスは本人はたぶん意識してないかとは思いますが、ユニコーンの後期の頃の奥田民生さんに通じるとこもあるなぁ…などとも思った。

そんな言葉達をマッシュが比較的、淡々とした感じで歌うから、メロドラマにはならずに、質感はフランスなんかのモノクロ映画…みたいな雰囲気になっている。

でも矛盾したことを書きますがアルバム通して聴くと、モノクロじゃなくて、きちんとカラー映画なんですよね。

ここまで考えて歌詞作ってるやつは、たぶん今のいわゆる邦ロックシーンにはいてないんじゃないかな?と思ったりしました。

いやぁ、すごいな。

iPhoneやi-Podでの ながら再生 ではなくて、この曲順でゆっくりと一回は聴いて欲しいアルバム。

音的なとこもやっぱりヒネリがあって面白いしね。

お!?3拍子?じゃこれ4つ打ちじゃなくて、3つ打ちやん(笑)!?とか

おー!!細野さんっぽいなー(笑)!とか

セカンドラインっぽい感じでこんな内容の歌詞ね?なるほど(笑)!だとか

お、けっこう最近の洋楽のインディーギターロックっぽいラインを素直になぞったアレンジ…でも、ないか(笑)!!

とかとか。

聴いてて楽しい。

…つーか、前は英詞で内容がよくわかってなかったけど、英語の時からこんな風に歌詞作ってたんですよね?たぶん。

これが日本語になってくれたおかげで僕にもしっかりわかるようになった…という。

とりあえず、5年前の発言を取り消します。

日本詞のKidoriKidori、すごくかっこいい。




ただこのアルバム、Kidori Kidoriファンはかなり戸惑ったとは思うんです(笑)。

それは仕方ない気もするし、ちょっと残念な気もする。

2015年度のベストアルバム!とは言わずに、人生のベストアルバム!といえるぐらいの内容だと本当に思うので、発売直後に聴いてピンとこなかった人も、いつでも良いのでまた機会があればゆくっり聞き返して欲しいなぁ…とは思います。色んな発見があると思うので。

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