さしすせそズ
(写真左より) Dr.パルプンテ山田 / Ba. 勝瀬まこと / Vo&Gt.松下陽祐 / Gt. イケダーマン池田出会いのきっかけは、実はイベント終わりにメンバーが配布していた無料配布音源。
バンドとしてのお付き合い的には3年目?ぐらいですが、今年を振り返ると、さしすそそズ もとい Vo松下と、やっときちんと仲良くなれた1年だったような気もします。
器用なのか、不器用なのか、よくわからないバンド(笑)
それでも大阪のライブハウスシーンの台風の目にいるような…不思議な要注目バンドです。
では、まずは曲から
どす恋物語 ~あなたの笑顔にごっつぁんです~
今年一番のさしすせそズのトピックとしては、eo Music Try 2015の決勝ライブまで勝ち残った事でしょうか?
“3年目の正直”って事で自力でがんばって決勝まで残った彼ら。決勝に行くための”投票”を、よくも、まぁこんな泥臭いやり方で勝ち残ったなぁ…と。
ここに関しては、誰がなんと言おうと僕は「よくぞ、がんばった!」と誉めてあげたい。
この話を書き出すとblogが終わってしまうので(笑)興味のある方は、自力で何があったか調べてみてください。
【eo Music Try 2015】 僕たちは、応援してくださる皆さんの気持ちを無駄にしない為に、 14日から毎晩、朝方までそれぞれの地元で道行く人に投票を呼びかけ続け、 7日間で延べ750人の方が票を投じてくださいました。 続く pic.twitter.com/kcYNMAW4Oq
— さしすせそズ (@sashisusesoz) 2015, 10月 21
で、決勝ライブを見にいきましたが、本当に良いライブをしてました。
今の さしすせそズ のベストをしっかり出し切ったライブだったと思います。(この辺りは後述)
“今の” と書きましたが、その”今のさしすせそズ”の状況?的な事を僕目線で書かせてください。
公式プロフィールで好きなバンドに”サザンオールスタース“の名前をあげてる彼ら。
お茶の間の人気者!スタンダードな王道のロックバンドを目指す!っていう意味である種、サザンを目標にもしているとは思うのですが、初期サザン と 今のさしすせそズ って意外と似てね?と思いました。
さしすせそズ と サザンオールスターズ
今でこそ大御所。デビュー37周年(たぶんそれぐらい)のサザンオールスターズさんにも、もちろんデビューすぐの新人の時期がありました。サザンオールスターズのデビュー曲「勝手にシンドバッド」
(”ラーラーラーララララーラーラー♪”と“いま何時?そうねだいたいねー!”のフレーズもキャッチーなあの曲です)
実はこの曲でデビューしたがゆえに、サザンもかなり苦労した…なんてエピソードは今の若いリスナーさんはあんまり知らないんじゃないでしょうか?
そもそも「勝手にシンドバッド」というこの曲のタイトル自体が、
当時のヒット曲である
沢田研二の「勝手にしやがれ」と
ピンク・レディーの「渚のシンドバッド」
を足して「勝手にシンドバッド」というタイトルにした…というパロディソング的なものだったりします(タイトルだけ)。
あげく歌番組に出演した時に衣装がランニングシャツ。
Vo桑田圭佑さんが持ち前のサービス精神を発揮してしゃべりにパフォーマンスに大奮闘。
これがサザンオールスターズがお茶の間に最初に現れた時の印象。
…これ、誤解されますよね?
デビュー当初のサザンオールスターズは完全にコミックバンドと思われてたみたいです。
今、サザンオールスターズをコミックバンドと言い切る人はまずいないのではないでしょうか?ちなみに、サザンのデビューアルバムって今の耳で聴いてみても、スティーヴィーワンダーみたいだっり、レゲエだったり、R&Rだったり…色々な要素のつまったブラックよりのミクスチャーポップって感じで音楽的にもかっこいいんですけどねぇ。
それでもコミックバンドとして見られてたわけです。
音楽的にサザンオールスターズが正統に評価されるのは、それから約一年後の「いとしのエリー」のヒットまで待たないといけませんでした。
その1年間は桑田さんもインタビューで語ってましたが、かなり辛かったみたいです。
さて
まだまだ、小規模な話であるのは重々承知ですが…
今の さしすせそズの状況 と 初期サザンの状況 って、なんか似てません?
これは、今の さしすせそズ ファンに問いたい。「さしすせそズのライブは楽しい、面白い だから大好き!」
うん。確かに楽しいよね。
…でも、そこだけじゃないですよね?
ライブ中、「ハッケヨイノコッタ!」だの、「台湾、台湾」 言って散々 楽しんでても、
最後に聴きたいのは 「ベンチウォーマー」 とか 「バンドメン」 だったりしませんか?
ああいう真面目に熱くて切ない曲に、持っていかれてませんか?
少なくても僕はそうだったりします。
でも、あんまり彼らの事を知らないお客さんからのイメージって、もしかしたら
さしすせそズ=面白いバンド
だけに、なっちゃてる気がするんですね。もちろん、ライブも曲も面白いんですが。
現状、さしすせそズの 入り口になってる曲のインパクトが強すぎる。
例えば、どす恋物語 ~あなたの笑顔にごっつぁんです~ のMVから好きになりました!って、そこが入り口なら、そりゃそうなるわ。と。
ユーモアの部分は彼らにとって、絶対に必要なとこだとは僕も思います。「面白い」は間違ってない。
けど、彼らが次にいくためには「勝手にシンドバッド」の要素はもう評価してもらえてるので、次の要素…
「いとしのエリー」が必用なんですよ。
た、た、たぶん (…と急に弱気 笑)これ「いとしのエリー」みたいなバラードを作れ…ってそのまんまの意味じゃなくてですね、そろそろ「面白いだけのバンドじゃないよ」という事を世間に分からせてやれよ!って意味ね。
僕的には、やっぱり彼らの曲はすごく良いと思うんです。
バンドとして外に向けての活動もしっかり出来てる。
でも、バンドとしての核となる部分が、意外と外にきちんと伝わってなく思える時があるんですね。
なら、あと必用な物は、それを伝えるための”技術”だけじゃないかな?と。
単純に外野を黙らすぐらい上手くなる。
これだけで、第一期さしすせそズはもう完成だと思うんですけどね?いかがなもんでしょうか?そういう意味では、今年のeo Music Tryの決勝のライブは、今の彼らなりに その核 をしっかりお客さんに伝えようとしてたライブに僕には見えたし、あのライブは本当に良かったと思います。
笑いやインパクトで攻めるやり方もあったはずなのに、あえてそこを外して、演奏と曲だけで真っ向勝負に行った。で、結果的には少し力及ばずで優勝ではなかった。
図式としては、けっこうわかりやすかった。
でも、あのライブは さしすせそズ が成長してるのがすごくわかったライブだったので、おじさんは見ていて、とてもホコリに思えた。
いま、さしすせそズは 化ける直前のサナギ みたいな時期だと思うんです。
サナギの時期って、やってる方はけっこうしんどいんですよ。
例えば単純に演奏だけの話でも、上手くなる直前、化ける直前っていうのは、今までのやり方をガラっと変えちゃったりするから、今まで出来てた事が急に出来なくなったり…とかよくあります。
活動にしても、活動の仕方を変えるから一時的に動員が落ちたりすることもあります。
やってる方的にとっては、サナギ期はすごく歯がゆいんです。
でもね、サナギになれたって事は、ここを乗り切れたらたぶん蝶になれるんですよ。
逆にここを乗り越えれないと、はじまらないわけで。
外から客観的に見てる、当事者でない僕みたいな人間は、本人達の苦労をよそに、そういう時期のバンドって見ててけっこう楽しかったりするんですね。
おぉ…もうすぐ化けるぞ…!ドキドキ! みたいな(笑)
なので、さしすせそズは順当にいけば化けると思います。順当にいけばね(笑)。
どう化けてくれるかを、無責任に一番楽しみにしてるのは、僕のような気がします(笑)。
なので来年のさしすせそズは本当に楽しみ。
何かと引き換えにして得た大切なその場所を、君なら守り続けられるさちなみに、Vo松下との距離感の取り方が今年一年でようやくわかった気がする。
僕もけっこう人見知り属性なので、思ったより時間かかったな(笑)。
とりあえず、口約束だけになってるから一度、飲みに行きましょうか。