「桜草」というバンドの話

sakurasou

唐突ですが「桜草」というバンドを紹介

桜草(さくらそう)

(写真左から) Vo&Gt 徳永伸行/Ba ウトカトモアツ/Gt 井上陽介/Drms 菅原瞳

僕もそれなりに付き合いも長くなってきたバンドです。(一応、メンバーの高校生時代も知ってます 笑)

なんで唐突に紹介記事を書いてみようかな?と思ったかと言うと

年末という事で日本人らしく(笑)今年1年を振り返って色んなバンドさんの事を考えてたんですね。

今年1年で一番伸びたバンドってどこだろうな?

ああ、桜草 かな…?

じゃ、紹介すっか!ぐらいの軽いノリです(笑)

まずは曲は聴いてくれ。

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今年一年で、単純にライブの完成度が別物か!?ってぐらい格段に上がりました

本人達はプロフィールに”90年代のメロウな楽曲に影響をうけ”と書いてますが、僕的には00年代初期の邦楽ロック感というか…アジカンやストレイテナー辺りの匂いはどうしても感じてしまいます。

そこにサカナクションの山口さんが持ってるようなインテリジェンスな感じが加ってるようなイメージ。

ただ、バンドのたたずまいとしては”クール”なんですけど、すごく肉体性がある…というか”熱さ”もあるバンド。

この一年の桜草の”伸び”というのは、演奏が上手くなった、ライブでの魅せ方の安定感が上がった…というのもあるんですけど、前より格段に”色っぽく”なったんですね。

バンド全体で色っぽくなった。

歌詞に関しても”文学性の高い歌詞”だったりして、ある種スタンダードなんだけど今の若い子は書きそうで書かないタイプの歌詞を書く子だな…と思ってます。

徳永君がどういう本を読んでて、何に影響を受けて…みたいな話はあんまりしたことがないんだけど、例えば上のMVの曲だと、”しょうめい”という言葉を、”照明”と”証明”のWミーニングでかけてみたり、そういう手法で心理描写とか風景描写をしてくのスタイルなのかな?と思ってます。

ちょっと違うかもだけど、デビュー初期の頃の GRAPEVINE をもうちょっと素直にしたような…そんな印象もあります。

ただ、そういう歌詞のバンドは、正直、今のシーンで戦っていくにはちょっと不利というのも事実。

ライブハウスの30分のブッキングライブでお客さんに”すべてが伝わりにくい”、”フェスなどの瞬間で判断されるシチエーションでは戦いにくい” なんて言われちゃうかもしれません。

ファン獲得の流れとしては、例えば桜草みたいなバンドだと

MVを見てもらって → 一度、ライブを見てもらって → CDを買ってもらって → 歌詞を見ながらCDを聴いてもらって → ライブをもう一度、見てもらう

…ぐらいの持久戦に持ち込めたら、かなり確立でファンになってもらえるとは思います。

実際、今、演奏の仕上がりもかなり良いので、お膳立てが出来た状態でライブを見てもらえたら絶対に落とせると思う。

でも、今のライブハウス/邦ロック好きの客層が求めてるものって、そういう持久走的なものよりも、もっと短距離走的なわかりやすさだったりするじゃないですか?

桜草は、どんどん演奏や曲は良くなっていってるけど、その辺りの”お客さんに向けての分かりやすさ”をどういう風に打ち出していくのか?というのも、正直ずっと課題のバンドではあったんです。

ただ、今の桜草のライブを見た事のある人だと、この書き方でわかるかとは思うのですが

その元から持ってた”文学性”という要素を、ライブの時に上手く”物語性”まで持っていけるようになってきてるんですよ。

まだ、正直 “コンセプト”の方が勝っちゃってるな…って時もあるのですが、以前よりも格段に伝わりやすくなってます。

そこに、きちんと演奏の肉体性もあるバンドだから、良いバランスに仕上がっていて、嘘くさくならない

これ、演奏が下手くそ…というか、あんまり演習してないヨレヨレのバンドが同じ事をやっちゃうと一気に嘘くさくなるんですけどね。

…って、これ文章だと全然、伝わらないでしょ(笑)??

だから、一度、機会を作って桜草のライブをぜひ見にきなさい。

書いてること、なんとなくわかると思いますから。

桜草に限らずですが、僕の周りはとにかく不器用なバンドが多い。

桜草も例に漏れずとにかく不器用さん。

特にいわゆる”バンド活動”…活動のスケジュールをたててみたり、外に向けて発信していったり…に関しては、「いやいや。おまえら、それおかしいやろ!?」ってレベルの不器用さんでした(笑)。

ただ、そんなかで練習だけはきっと真面目にずっと何年もやってきたバンドなんですよ。

ライブ終わってからすぐに「2曲目の入りのリズムが走った…!」とか、いきなり反省会はじめちゃうようなタイプのバンド(笑)。

周りが派手な宣伝活動ばかりがんばってる時に、不器用な彼らは不器用なりに拗ねずに、地味な練習をずっと続けてきたはずなんです。

地味に、地味に、ただひたすら地味に。

遠回りはしてるけど、そんな地味な努力が、今やっと、ようやく形になりだしそうな匂いがしてきています。

MASH A&R オーディションのマンスリー選考に残ったり、SPACE SHOWER 主催 新人発掘オーディション「DayDreamBeliever」で10組まで残ったり…今はまだそんなもんですが、来年はもっと多くの人が桜草のかっこ良さに気づく一年になれば良いな…と勝手に思っております。

ここから完全に余談ですが

本来ならKANA-BOONが堺でやってた頃に”KANA-BOON、桜草、~、~” …辺りのバンド達で1シーン作ろう!とか勝手に僕、思ってたんですよ。

アジカンチルドレン的なくくりのバンド達で上手く盛り上がったらな…とか作戦を立ててたんですが、そのくくりを作るのは見事に失敗しちゃいました。力及ばず。ごめん。

その時から数えたら、4年かかっちゃたけど

証明の解けない「ここ」で呼吸を止めていた僕が

「ここにいる」と、証明を一つ残す

には、まだ間にうはずなんでね。

来年の桜草、勝手に楽しみにしています。


ちなみに、こんなのアコースティックヴァージョンもあります。

騙されたと思って桜草のライブを一度見に行ってくれ。本当にかっこいいから。

桜草




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